夏のクマに注意してください
夏場のクマの動向について
○ 夏は、山の食べ物が少なくなります
この時期のクマは、山でサクラやクワなどの果実のほか、アリやハチなど、一度に多 く食べることのできる社会性昆虫をエサにしています。特に夏の終わりごろは端境期で 1年のうち最も食べ物が少なくなるため、人里近くに出没し、農作物に被害を出すこと があります。
○ 夏は、ツキノワグマの交尾期にあたります
6~8月頃にかけてはクマの交尾期にあたります。通常、クマは単独行動ですが、オ スとメスが共に過ごすことが多くなります。また、1~2歳の子グマは母グマと別れて 暮らし始めます。
○ 夏は、若い個体が人里に近い低標高域で活動します
高山植物を食べるため、山を登って高標高域で生活するクマ(主に成獣オス)がいる 一方、比較的若い個体は山を登るクマを避け、低標高域で行動することが多くなります。 このようなクマも人里に近づく可能性が高まります。
クマと遭遇しないよう次のことに注意してください。
本年は、ツキノワグマによる人的被害が4件(5月末時点)で確認されています。
しかし、いづれも山林や茂みの中で発生しています。
山林に立ち入る際は次のことに気を付けてください。
◇ クマ避け鈴、ラジオ、笛などを携帯する
クマは聴覚や嗅覚が人より優れています。人の気配を感じたクマは自ら避けてくれます。 クマ避け鈴、ラジオ、笛など音の出る物を鳴らしながら行動しましょう。
◇ 朝夕の行動は避け、複数人で行動する
朝夕はクマが活発に活動します。この時間帯に山中に入ることは避けましょう。また1 人ではなく、複数人で行動しましょう。
◇ 周囲を確認しながら移動する
釣りやキャンプで渓流沿いを移動する場合は、水の音でクマも人もお互いに気付かず、 思わぬ距離まで接近してしまうことがありますので注意が必要です。
◇ クマのいる場所に近づかない
山中はクマの生息地で、どこにいてもおかしくありません。クマの足跡や糞などを見つ けたら、それ以上近づかずに引き返しましょう。
◇ 子グマを見たら立ち去る
子グマの近くには必ず母グマがいます。母グマは子グマを守るために、人へ攻撃するこ とがあります。子グマを見かけたら、そのままそっと立ち去りましょう。
里に出てこないようにするためには?
基本的にクマはエサを探して移動しています。
移動は、茂みなどに潜みながら移動します。
クマが好むものを排除することで、餌場の認識がなくなれば近づきにくい状況を作ることができます。
◆ 里地にクマを寄せ付けない対策を
トウモロコシやプルーン、モモなどを栽培している畑や果樹園等の周囲には、電気柵を 設置したり、ヤブをあらかじめ刈り払うなど、クマを寄せ付けない対策をとりましょう。 また生ゴミもクマのエサです。一度餌付いてしまうとその場所に執着するようになり、人 に見つかることを恐れなくなるなど、人身事故の可能性が高まります。