わたし、嫁ぎました。【移住者リレー 003】
ちょっと趣向を変えて、特別企画「わたし、嫁ぎました。」をお届けします
朝日村の農家に嫁いで28年。ご主人のご両親との同居、3人のお子さんの子育て、そして農業。そのすべてをこの村の自然と共に過ごしてきた中村さん。
「移住者じゃないよ~」と笑いますが、今ほど情報の多くない時代に、環境も文化も異なる静岡県から山間の村へ飛び込むのは、今の”移住”ととても近い選択だったと思うのです。
当時と今では村はどう変わったのか。日常の暮らしや、農ある生活の魅力を伺いました。

朝日村に嫁ぐことになった経緯は?
大学時代の先輩後輩だったおふたり。最初の印象はよくなかったそうですが(笑)、一緒に過ごす時間が増えるうちに自然と距離が縮まったそう。彼(ご主人)が卒業して長野に戻ったことで一度離れたものの、10年後に再びご縁が繋がることに。「人として信頼できる人だと思えたから、よりを戻した後は早かったよね」と。

【ちなみに…「ピンチのときに相談したくなるし、いつも救われる言葉をくれる人だったの」と、小声で教えてくれました。なんて素敵!】
朝日村での子育てはどうだった?
嫁いですぐに子どもができ、そこから下のお子さんが保育園に入るまでは専業主婦として子育て中心の生活に。
ご主人のご両親と同居だったことで、病院の順番取りなど、様々な場面で助けてもらったと言います。
「村の幼児教室に参加できたのは本当に助かったよね。小さい村だからこそ、先生との距離も近いし、お母さん同士のつながりが自然とできたからね」
静岡にいたら頼れる友人もいたかもしれない。でも、朝日村でも新しい環境の中で支えあう関係を築いていったそう。
農繁期だけはどうしても頼れず大変だったものの、「本当に忙しい毎日だったけど、家族みんなで協力して乗り切れた」と話してくれました。
子育てがひと段落したあと、農業を始めることに抵抗はなかった?
嫁ぐ時点で農業をする覚悟はできていたという中村さん。
「子どもが大きくなって時間ができてきたから、自然と農業を始めた」という感覚だったそう。ただし、夏の忙しさは想像以上。
「静岡では考えられないレベルだったよね。昔より農閑期が短くなった今のほうが、むしろ大変かもしれないね」
それでも、中村さんが言うのは”自分にはこの生活が合っていた”という言葉。
家事も労働として尊重してくれた家族のおかげで、「大変でも、”犠牲になってる”って感じたことはなかったなぁ。むしろ、私のほうが余計なこと言ってたかも(笑)」

【玄関先のナマコ壁も、ほんとうに素敵でした。家を守り、畑を守り続けてきた歴史が滲むお住まいでした。】
静岡から朝日村で暮らすことになって、気候や環境の変化はどうだった?
「雪道の運転がとにかく怖かった!」
冬タイヤに変えるなんて知らなかったという中村さんが嫁いだ年の冬は、なんと”100年に一度”といわれる大雪。1m以上積もったそうです。水道が凍る体験も初めて。
反対に驚いたのは、曇りでも洗濯物が乾くこと。
「湿度が低いからだよね。静岡と全然違うね。静岡は風が吹いても湿ってるから」
寒さは苦手ではなく、むしろ設備が充実している分「長野の家のほうが暖かいくらい」とのこと。
ただ、子どもが高校生の時のバスでの通学は一苦労だったそうで、当時は便も少なく送り迎えが大変だったとか。
「今は便数も増えて、100円で乗れるし、すごく便利になったよね。みんなの声が届いたんだと思う」
暗い夜道に曲がるところがわからなかったりもしたし、それなりに不便さもあったけれど、「慣れちゃえば大したことないよ」と笑って話してくれました。
嫁いでから28年。村に住んで思うこと、ありますか?
「子育てするにはほんとうに良かったよ。農業もやって良かったと思ってる」
農業は大変な仕事。けれど、季節の移ろい、匂い、気温。自然の中で暮らすからこそ感じられる”人間らしさ”があると教えてくれました。
また、朝日村は標高差があり、昼夜の寒暖差も野菜の味に影響します。
「朝日村の野菜はほんとうに美味しい。水のおいしさも野菜の新鮮さも、いまでも野菜を食べるときにすごいと思う」



そしてもうひとつ。
中村さんの暮らしを支えたのが「サークルたんぽぽ」のメンバーとの出会い。
「『よってきましょっぷ』で顔を合わせる少しの時間でも、情報交換したり愚痴を言い合ったり(笑)。そういう交流の時間があるから”明日も頑張ろう”って思えるんだよね」
※『よってきましょっぷ』…村内の女性農業従事者で構成される「サークルたんぽぽ」が運営する直売所。
【実は私も、中村さんと出会ったのはこの『よってきましょっぷ』がきっかけでした。パワフルな村の農家のお母さんたちが、新鮮な野菜を直接販売してくれる、とても貴重で有難い場所です。春になって再開されるのが本当に楽しみ!】
さいごに、移住を考えている方へのひと言、お願いします!
「バッググラウンドがないと不安なことはあると思うけど、自分から一歩踏み込んでくれたら、出会う人たちは優しく受け入れてくれると思う。代々この土地に住んできた人が多いから、最初は少しシャイに見えるかもしれないけど、関わってくれればよさは必ず分かるよ。きっと村の人は、そうして来てくれた人を粗末にしないし…すぐに野菜を持ってきてくれると思う(笑)」
中村さんの言葉から、家族や農業、地域とのつながりの大切さが自然と伝わり、村での暮らしの温かさを感じました。

中村さんのお気に入りの冬の過ごし方


ケーキを焼いたり好きな刺繍をしたり。そういうのんびりした時間はすごく贅沢で好きな時間。
おすそ分けしたりして、喜んでもらえるのも嬉しい。
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企画財政課 企画・DX推進係(移住担当)
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更新日:2025年12月15日